東京でパソコン関連の雑誌編集の仕事をしていた約10年前。
東京の国分寺で子育てをしようか……?
答えは否。そのイメージができなかったそうです。
そこで、子どもの出産を控えた今のうちにと、地元の愛媛県今治市に家族とUターン。
何度かの転職を経て、IKEUCHI ORGANICという会社と出会い、風で織るタオルと出会いました。
「毎日の生活でふれる、タオルのこと。あなたはどれくらい知っていますか?」
この問いかけをすることこそ、神尾武司さんの仕事です。
神尾 武司(かんお たけし)
東京でPC系雑誌編集の仕事に携わる。2004年に出身地である愛媛県今治市に家族とUターン。2007年よりECサイトの運営会社に勤務、ページ制作からバックヤード業務までの業務を行う。2014年にIKEUCHI ORGANIC 株式会社と出会い、入社。ウェブページの制作管理、ECサイト(Webショップ)の運営を統括している。愛用タオルはオーガニック960。奥様はオーガニック120を愛用している。
東京で子育てするイメージができなかった
今から約10年前。都内のPC系雑誌編集部に所属していた神尾さん。
独立してフリーの編集者やライターになるか。
同じPC・ゲーム業界のエンジニアに転職するか。
ふと将来のことを考えたそうです。
「妻と2人で3〜4,000万くらいのマンションを買って、2人で楽しく生きていくっていう未来もあるけど、東京で子育てするイメージができなかったんですね。やっぱり地方出身なもんで」
ちょうどその頃、実家の愛媛県今治市の自営業を手伝うことになり、それを機にUターンすることを決めました。
「ミクシィとかSNSが流行りだして友人や仕事仲間と上手くつながったままでいられるから、現場に行くのはちょっと大変になっちゃうけど、情報を得る分にはインターネットで十分。当然その頃にはAmazonもありました。生活コストもそれなりに下げられて、子育てもできる田舎に行こうかと。妻に相談したら『別にいいよ』と言われたので、こっちに帰ってきたんです」
こうして神尾さんは家業を手伝いはじめ、その後に転職。フリーペーパーの編集やECサイト運営などの仕事を経験することに。
「あるところは祝日も関係なく、休みが週1しかなくて、年間60日ぐらいの休暇しかない。かなり昭和的な労働環境でした(笑)。そのときもう子どもが産まれていたんですが、子どもと遊ぶ時間も少なくて。なんとかもう少し自分の暮らしも充実させたいなと思っていたんです」
自宅から通える今治市内の会社で、神尾さんは自分のITスキルを活かせると考えたのが、タオル業界。社名変更前の「池内タオル」を見つけたといいます。
「池内タオルのホームページを見たら、デザイン的にイケてはないんですけど、熱量はすごくあったんですよ。この会社に入ったら自分のスキルを活かして役立てることはあるし、やりたいこともある状況だったんです。で、ハローワークに行ったら、求人が出てたんですよ」
企業理念や代表である池内計司さんの熱い志に共感し、神尾さんがIKEUCHI ORGANICの門を叩いたのは2014年。今から3年前のことになります。
タオルの町で育ったが、知らないことばかりだったタオルづくり
「小学校のときもタオル工場へ社会科の見学に行きました。今より本当にもっとたくさんのタオル会社があって、機(はた)を織っている“カタン、カタン、カタン、カタン”っていう音とか、ミシンの“ビー”って縫う音が、町中のどこからも聞こえてくる町だったんですね。
ですので、タオルづくりについて結構知っているつもりだったんですけど、実際細かいことは知らなかったんです。
この会社に入社してからは、現場に行ったり、機織りや検品担当のひとに話を聞いてみたり、記事を作るためにインタビューしたりとか。忙しいときになると私も駆り出されて検品作業したりするんですよ(笑)。
そういうときにタオルをつくるということを教えてもらいます。“みんな毎日こんな大変なことしてんのかぁ”って、思うんです。だからこそウェブで発信する日々の業務のなかで、つくる過程を含めたIKEUCHI ORGANICのタオルをたくさんのひとに届けたいと思うようになりました」
タオルのこと、どれくらい知っていますか? 考えていますか?
IKEUCHI ORGANICのタオルを伝えていきたい──。神尾さんの想いの根底にあるのは「タオルのことをどれくらい知っていますか? 考えていますか?」という、問いかけだと感じます。
なぜならぼくたちは、日々の暮らしで必ずタオルを使うからです。
「タオルって結局、体のどこかについた水分を拭うために使うものですよね。海外産のすごい安いタオルであっても事足りるわけです。でも、たとえ綺麗に拭けるタオルであっても、毎日そのタオルを使って肌触りがよくないんだったら、より肌触りのいいタオルのほうが気持ちがいい。ストレスだって減るかもしれない。1日1回ふれるんだったら、年間で365回ふれるわけですから」
毎日使い続ける道具だから、タオルに意識を向けてみる、タオルづくりの過程を知る。そのうえでどんなタオルを使うか選んでほしいと神尾さんはいいます。
「オーガニックのタオルって、一般的なイメージは“身体にいい”とかそういうものなんです。けど実際にそのタオルの品質が、他のどのタオルよりもいいわけではありません。
タオルをつくる過程──綿花栽培をしている農家さんのこと、綿がどのように栽培されているのかまで──を立ち返って、農薬をたくさん使わなきゃ栽培できないこと、農薬の被害を農家さんがたくさん受けていること、そういうものの犠牲になってタオルというものをぼくらは手にして毎日使っているということを、この会社で知れば知るほど──というか、もう知っているから、犠牲や負担のうえにできるタオルではないやり方を目指したい。
IKEUCHI ORGANICは農家のひとの生活が潤い、健康被害もない、過程がちゃんとしたいいものをつくりたいんです」
知らなければ、選べない
地元の今治市のタオルといえば、神尾さんにとってはとても馴染み深いもの。しかしIKEUCHI ORGANICの前身である池内タオルの社名は知っていても、入社するまでオーガニックなタオルをつくっているということを、知らなかったのです。
知らなければ、選べない。
神尾さん自身が知らなかったからこそ、選択肢をもってほしい、そう強く思っているそうです。
「あなたはどのタオルを選びますか?と聞いたときに、『わたしは、水が拭けるだけでいいから別にこの安いタオルでいいです』っていうひともいるし、『わたしは皮膚が弱いので、肌にやさしいタオルを使いたい』っていうひともいます。
後者のようなひとには、うちのタオルを使ってもらえます。
選択肢ですよね。ひとつしか知らないひとは、それしか買えないわけです。ちゃんとした情報をウェブに載せて伝えていきたい。何度も言いますけど、ぼくもここで働くまで、タオルづくりなんて知らなかったわけですから(笑)」
知ってもらうために、発信力を高めたい
今後は、東京で活動している広報の牟田口武志さんと連携したりして、会社として、ウェブ上での発信力を高めていくための動きをしていくそう。じつはこの灯台もと暮らしの企業特集も、その一環です。
ものをつくるメーカーでありながら自社でウェブコンテンツをつくり発信しているのも、IKEUCHI ORGANICの特異なところ。コンテンツ運用の第1弾として、2016年には社員をインタビューした「イケウチのヒト」を展開しています。
さらにインタビュー日の翌日は、IKEUCHI ORGANIC初の、ユーザーを本社工場へ招待するファンイベント「今治オープンハウス」をおこないました。
「今治オープンハウスはうちのタオルを好きになってくれたひとたちに集まってもらうイベントです。そういうことをどんどん企画して、ファン同士のつながりを強めていく。ぼくら生産者と、一番近いところにいるファンとの距離を縮めて、ひとつのコミュニティをつくり、その輪を広げていきたいですね。
全世界のひとにIKEUCHI ORGANICを知ってもらって、その上でイケウチのタオルを選んでもらう。その判断を仰ぐためにはたくさんの情報をわかりやすく開示する必要があるんだって思っています。それこそぼくが担当しているウェブサイトが得意とすることじゃないかと。
まずは国内からということで運用していますが、商品と同じように、当然海外のひとにもぼくらのタオルを伝えたい。ゆくゆくは多言語展開もできたら楽しいんじゃないかと思っています」
(この記事は、IKEUCHI ORGANIC株式会社と協働で製作する記事広告コンテンツです)
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